アボガドが便秘にいいからといって食べるのは愚かかも?
アボガドは便秘にいい、という情報はたくさんあります。主なところで行くとその理由は下記のようなものです。
・約20%を占める脂質のうちの80%がオレイン酸という不飽和脂肪酸。この脂質は小腸で消化、吸収されないため大腸を刺激し、活動を活発化させてくれる。
・食物繊維が豊富。特に水溶性。量的にはごぼう1本に匹敵するほど。
大きく分けると上記2点です。
また他にもアボガドは森のバターと言われており、脂質の多くを占めるオレイン酸は動脈硬化やコレステロールを下げる効果、ニキビなどの肌トラブルを改善したりする効果が期待できる、という記述をよく見ます。
含まれる栄養素としては下記です。
・食物繊維
・βシステロール
・グルタチオン
・ビタミンE
アボガドを食べなくてはいけない理由をもう少し考えてみる
少し逆から見てみましょう。確かにアボガドは便秘にいいのかもしれません。それだったら最初からアボガドだけ食べていればいいのでは?とも思ってしまいます。
アボガドを食べないと、アボガドに含まれる栄養素を摂取しないと便秘が治らないのはなぜなのでしょうか?
このことを考えないと、つまり便秘になっている根本的な原因を考えないと、その原因をかきけすためにアボガドを食べる、というマッチポンプのようなことを毎日していることになります。
考えなくてはいけないのは、どうして小腸で吸収されずに大腸を刺激してくれるオレイン酸を摂取しないと大腸は動かないのか、どうしても食物繊維をアボガドから摂らないと便の排出が促進されないのか、ということです。
大腸はそもそも動かない器官なのでしょうか。いえいえ、アボガドを食べなくても大腸がきちんと動いて、便秘になっていない人はたくさんいるでしょう。
ということは、そもそも大腸が動かない状態になった原因をもう少し深堀してみるとアボガドの効果と合わさって更なる効果を生み出すのではないでしょうか。
情報に振り回されない
冒頭に書いたアボガドの成分や効果はおそらく正しいと思われます。特に栄養素についてはその通りでしょう。
しかし、そういったものを摂取しないと治らない状態こそが突き詰める対象であり、アボガドの成分に詳しくなる前に行うことなのかもしれません。
例えば、ダイエットしている人が、甘いものを大量に食べた後に、摂りすぎたカロリーを消費するために一生懸命ジムで有酸素運動をしていたら、なんだか滑稽に見えませんか?
他の例えをすると、営業マンがある取引先で出した赤字を埋め合わせするために、他の取引先で大きな利益を上げるために奮闘しました。
結果埋め合わせに成功したのは素晴らしいことですが、あなた上司だったら次からどうしろと指示しますか?
1)これからも同じように
2)赤字を少なくしろ
3)赤字の取引先との付き合いをやめろ
一見この営業マンはすごくがんばっているようですが、他の営業マンからは、覚めた目で見られるかもしれません。なぜならそもそも赤字を出さなければいいわけですから。
つまり、1)は無いということです。3)まで行くかは会社の方針や取引先との付き合い方によりますが、2)か3)のどちらか、つまりとにかく赤字を少なくする方向に動きますよね。
今回のアボガドが便秘にいい、という話も一緒です。営業マンだったら最後の数字が黒だったら何とかなるかもしれません。数字の足し引きですから。
しかし体はそうはいきません。赤字、つまり体に悪いことをしていて、それを復活させるために体にいいものを摂取するということは、それなりに体を酷使していることになるのです。
体に悪いものも体内に入ってきたら消化しなくてはなりません。吸収もされます。かき消すようにアボガドを食べたところで、酷使したことに変わりはないのです。
おっと、これは営業マンでも一緒かもしれません。だって営業活動を行うということは、営業マンであったり、オフィスで内勤している人達の時間を使っていることには違いないのですから。赤字になるくらいだったら小額でも黒字になるクライアントへと切り替えたほうがいいかもしれません。内勤スタッフのモチベーションアップにもなるでしょう。
まとめ
このように便秘にアボガドがいいというのは間違いなくても、どうしてもアボガドを摂ることでしか便秘の解消ができないのか、という視点を持つことも大事なのです。
決して便秘が自然発生したわけではなく、普段の食事や生活習慣にこそその原因が潜んでいるはずなのです。
それらを(営業マンでいうところの赤字)少しでも減らしていくと、アボガドを食べなくても便秘は解消するかもしれません。もちろんアボガドが健康にいい成分をたくさん含んでいることは明らかですから、その上でたくさん食べるとさらなる健康を手にすることができるかもしれませんね。